概要
車検(継続検査)とは、自動車が道路運送車両法で定められた保安基準に適合しているかを定期的に確認する制度です。新車登録後、初回は3年目、それ以降は2年ごとに受検が必要です。
目的
- 自動車の安全性を確保する。
- 環境への影響を最小限に抑える。
- 公道を走行する車両の適正な管理を行う。
長所
- 定期的な点検により、故障や事故のリスクを低減できる。
- 車両の状態を把握し、適切なメンテナンスが可能になる。
- 法令遵守により、罰則やトラブルを回避できる。

手続きの流れ
点検整備:車検前に定期点検整備を実施します。
ここを押して点検整備内容の詳細を確認
エンジン関連
- エンジンオイルの漏れ、量、汚れ
- 冷却水の漏れ、量
- ファンベルトの緩み、損傷
- 排気ガスの状態
ブレーキ系統
- ブレーキペダルの遊び、踏み込んだときの床板とのすき間
- ブレーキ液の量、漏れ
- ブレーキホースの損傷、漏れ
- ブレーキパッドの摩耗
ステアリング系統
- ハンドルの操作具合
- ステアリングギアボックスの取り付け状態、損傷、オイル漏れ
- ステアリングのロッド、アーム類の緩み、損傷
サスペンション系統
- ショックアブソーバーの損傷、オイル漏れ
- スプリングの損傷、取り付け状態
タイヤ・ホイール
- タイヤの空気圧、溝の深さ、損傷
- ホイールナットの緩み
灯火装置・方向指示器
- ヘッドライト、ブレーキランプ、ウインカーの点灯、点滅状態
- レンズの汚れ、損傷
ワイパー・ウォッシャー
- ワイパーの拭き取り状態
- ウォッシャー液の噴射状態
バッテリー
- 電圧、液量、端子の緩み、腐食
排気系統
- マフラーの取り付け状態、損傷、排気漏れ
車体・シャシー
床下のオイル漏れ、損傷
フレームの損傷、腐食
◇車検の際の詳しい整備箇所は以下の記事にまとめています。
必要書類の準備:車検に必要な書類を揃えます。
検査の予約:運輸支局や軽自動車検査協会で検査の予約を行います。
検査の受検:指定された日時に検査を受けます。
新しい車検証の受領:検査に合格すると、新しい車検証が交付されます。

必要書類
普通自動車の場合
① 自動車検査証(車検証)
自動車の登録情報(車種・所有者・使用者・車体番号など)が記載された最も重要な書類です。
車検時には、この車検証に基づいて各種確認が行われるため、必ず原本を持参してください。
② 継続検査申請書(OCR申請書専用3号様式)
車検の継続申請時に使用する専用の申請用紙です。OCR形式で、記入ミスがあると受理されないこともあります。
運輸支局で入手できるほか、オンラインからダウンロードも可能です。
③ 自動車検査票
車検時の検査結果を記録するための用紙で、検査ラインで使用されます。
運輸支局の窓口で配布され、提出前に必要事項を記入する必要があります。
④ 点検整備記録簿
車検前に行った定期点検整備の記録を記載した書類です。
整備内容を記録したものであり、自己整備の場合も記録簿に記載する必要があります。
業者に点検を依頼した場合は、整備記録簿を必ず受け取っておきましょう。
⑤ 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)証明書
車検時に有効期限が残っている自賠責保険の証明書が必須です。
車検の有効期間をカバーするように、事前に自賠責を更新しておく必要があります。
⑥ 自動車重量税納付書
車検の際に自動車重量税を納付するための用紙です。
車両の重量によって税額が決まり、納付済みであることを示すために必要です。
収入印紙での支払いとなることが一般的です。
⑦ 自動車税(種別割)納税証明書
毎年納める「自動車税(種別割)」の納税証明書で、「継続検査用」と書かれたものが必要です。
未納がある場合は車検を受けられません。多くの自治体ではオンライン納税でも証明書が自動連携されるようになっていますが、念のため紙の証明書を持参すると安心です。
⑧ 手数料納付書
車検にかかる検査手数料(印紙代)を納付するための書類です。
納付金額は車種や検査内容によって異なり、印紙を貼付して提出します。
この用紙も運輸支局の窓口で入手可能です。
軽自動車
① 自動車検査証(車検証)
軽自動車の登録情報や所有者情報が記載された基本書類です。車検を受ける際に必ず提示が必要で、車両情報(車台番号、型式、登録年月日など)が車検記録と照合されます。
② 継続検査申請書(軽専用第2号様式)
軽自動車の継続検査に使用する専用の申請用紙です。OCR用紙で記載ミスがあると受付できない場合もあるため、記入は慎重に行う必要があります。
③ 軽自動車検査票(軽自動車検査協会で配布)
検査ラインで使用される用紙で、車検時の各種検査結果を記録するためのものです。軽自動車検査協会の受付窓口で配布され、事前記入が求められることもあります。
④ 点検整備記録簿
事前に実施した点検整備の記録を記載する書類です。安全な車両状態を証明する重要な資料であり、整備工場で点検を行った場合は整備記録簿が発行されます。
自己整備の場合でも、チェック項目に沿って記録しておく必要があります。
⑤ 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)証明書
有効期限が車検の有効期間をカバーしている自賠責保険の証明書が必要です。車検の際に未加入・期限切れだと受検できないため、事前に更新を済ませておきましょう。
⑥ 自動車重量税納付書
軽自動車の重量税を納付するための書類で、車検と同時に納付が必要です。多くの場合は収入印紙での支払いとなります。記入と印紙の貼付は、軽自動車検査協会の窓口で行うのが一般的です。
⑦ 軽自動車税(種別割)納税証明書
軽自動車税をきちんと納めていることを示す納税証明書です。車検の際は「継続検査用」と明記された証明書が必要になります。
オンライン納税などで連携されている自治体もありますが、念のため紙の証明書を持参するのが確実です。
⑧ 手数料納付書
継続検査にかかる検査手数料を納付するための書類です。所定の額の印紙を貼って提出します。手数料額は検査内容によって異なりますが、軽自動車の方が普通車より安価なことが多いです。
注意点
- 書類の有効期限:各書類には有効期限があります。期限切れの書類は受理されません。
- 印刷方法:OCR申請書は、レーザープリンターやLEDプリンターで印刷してください。インクジェットプリンターでの印刷は、読み取りエラーの原因となるため推奨されません。
- 予約の必要性:検査場によっては、事前予約が必要な場合があります。事前に確認し、予約を行ってください。

まとめ
車検(継続検査)は、自動車の安全性と環境性能を確保するために必要な制度です。定期的な点検整備と適切な手続きを行うことで、安全で快適なカーライフを維持できます。必要書類の準備や検査の予約など、計画的に進めることが重要です。