永久抹消登録とは?
車を廃車にする際、最終的な手続きとして行うのが「永久抹消登録」です。これは、車両を解体し、再び公道を走ることができない状態にした上で、陸運局に登録情報を完全に削除する手続きです。この手続きを完了することで、自動車税や自賠責保険などの課税・保険義務から解放されます。また、車両が不正に再利用されるリスクを防ぐことにもつながります。本記事では、永久抹消登録の手続き方法、必要書類、注意点などを詳しく解説します。

永久抹消登録の概要
永久抹消登録の目的
永久抹消登録は、車両を解体し、再登録できない状態にすることで、所有者の義務を終了させる手続きです。この手続きを行うことで、以下のような効果があります。
- 税金や保険の義務からの解放:自動車税や自賠責保険などの支払い義務がなくなります。
- 不正利用の防止:車両が不正に再登録されるリスクを排除します。
- 車両情報の整理:陸運局の登録情報から車両が削除され、情報の正確性が保たれます。
一時抹消登録との違い
一時抹消登録は、車両を一時的に使用しない状態にする手続きで、再登録が可能です。一方、永久抹消登録は、車両を解体し、再登録ができない状態にする手続きです。つまり、永久抹消登録を行うと、その車両は二度と公道を走ることができなくなります。

永久抹消登録の手続き方法
手続きの流れ
- 車両の解体:認定された解体業者に車両を引き渡し、解体してもらいます。
- 解体報告の確認:解体業者が「移動報告番号」と「解体報告記録日」を発行します。
- 必要書類の準備:以下の必要書類を準備します。
- 陸運局での手続き:管轄の運輸支局で手続きを行います。
必要書類
自分で用意する書類
- 自動車検査証(車検証):原本を用意します。
- 所有者の印鑑登録証明書:発行から3ヶ月以内のもの。
- ナンバープレート(前後2枚):紛失している場合は理由書が必要です。
- 移動報告番号と解体報告記録日:解体業者から提供されます。
- 委任状:代理人が手続きを行う場合、所有者の実印が押印されたもの。
陸運局で入手する書類
- 永久抹消登録申請書(OCR第3号様式の3):陸運局で配布されています。
- 手数料納付書:手数料は無料です。
- 自動車税(環境性能割・種別割)申告書:地域によっては不要な場合があります。
手続きの場所
永久抹消登録の手続きは、車両の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局で行います。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会の事務所・支所・分室で手続きを行います。
特殊なケースの手続き
所有者が亡くなっている場合
所有者が亡くなっている場合、相続人が手続きを行います。この場合、以下の書類が追加で必要になります。
- 戸籍謄本または除籍謄本:相続関係を証明するため。
- 遺産分割協議書:相続人全員の実印が押印されたもの。
- 代表相続人の印鑑登録証明書:発行から3ヶ月以内のもの。
所有者が成年被後見人の場合
成年被後見人が所有者の場合、成年後見人が手続きを行います。この場合、以下の書類が追加で必要になります。
- 成年後見人の印鑑登録証明書:発行から3ヶ月以内のもの。
- 登記事項証明書:成年後見人であることを証明するもの。

所有者が法人の場合の永久抹消登録の手続き方法
法人所有の車両を廃車にする際の注意点
法人が所有する車両を永久抹消登録する場合、個人所有とは異なる書類や手続きが必要になります。特に、法人の登記情報や代表者の印鑑証明書など、法人特有の書類が求められます。また、法人の解散や清算が完了している場合は、さらに追加の書類が必要になることがあります。
手続きの流れ
- 必要書類の準備:上記の必要書類をすべて揃えます。
- 解体業者への依頼:認定された解体業者に車両を引き渡し、解体してもらいます。
- 解体報告の確認:解体業者から「移動報告番号」と「解体報告記録日」を受け取ります。
- 陸運局での手続き:管轄の運輸支局で、必要書類を提出し、永久抹消登録の手続きを行います。
必要書類
法人が所有する車両を永久抹消登録する際に必要な書類は以下の通りです。
- 自動車検査証(車検証):原本を用意します。
- 法人の印鑑登録証明書:発行から3ヶ月以内のもの。
- 法人の登記事項証明書:最新のものを用意します。
- ナンバープレート(前後2枚):紛失している場合は理由書が必要です。
- 移動報告番号と解体報告記録日:解体業者から提供されます。
- 委任状:代理人が手続きを行う場合、法人の実印が押印されたもの。
- 永久抹消登録申請書(OCR第3号様式の3):陸運局で配布されています。
- 手数料納付書:手数料は無料です。
- 自動車税(環境性能割・種別割)申告書:地域によっては不要な場合があります。
特殊なケース
法人が清算結了している場合
法人が清算結了している場合、以下の書類が追加で必要になります。
- 閉鎖事項全部証明書または閉鎖されている法人の商業登記簿謄本:発行から3ヶ月以内のもの。
- 元清算人の印鑑登録証明書:発行から3ヶ月以内のもの。
- 清算を結了した法人の登録申請にかかる理由書:法人が清算結了したことを説明する書類。
- 委任状:元清算人の実印が押印されたもの。
- 譲渡証明書:元清算人の実印が押印されたもの。
法人が破産している場合
法人が破産している場合、以下の書類が追加で必要になります。
- 申立書:破産手続きに関する申立書。
- 履歴事項全部証明書:発行から3ヶ月以内のもの。
- 譲渡証明書:破産管財人の実印が押印されたもの。
- 委任状:破産管財人の実印が押印されたもの。
- 資格証明書兼印鑑登録証明書:発行から3ヶ月以内のもの。
注意点
- 法人の印鑑登録証明書と登記事項証明書は最新のものを用意すること:これらの書類は発行から3ヶ月以内のものが必要です。
- 代理人による手続きの場合、委任状には法人の実印が必要:代理人が手続きを行う場合、法人の実印が押印された委任状が必要です。
- 解体報告記録日から15日以内に手続きを行うこと:解体報告記録日から15日以内に永久抹消登録の手続きを行う必要があります。
まとめ
法人が所有する車両の永久抹消登録は、個人所有の場合と比べて必要な書類や手続きが複雑になります。特に、法人の登記情報や代表者の印鑑証明書など、法人特有の書類が求められます。また、法人の解散や清算が完了している場合は、さらに追加の書類が必要になることがあります。手続きをスムーズに進めるためには、事前に必要書類を確認し、漏れなく準備することが重要です。また、解体業者や陸運局との連携を密にし、手続きの流れを把握しておくことも大切です。法人の車両を適切に廃車処理することで、税金や保険の負担を軽減し、法的なリスクを回避することができます。